図書館から借りて読んでいます Vol.59

村上春樹著『走ることについて語るときに僕の語ること』(文藝春秋社)
走ることについて語るときに僕の語ること

読みたくなってまた借りてしまった。

走ることは僕にとっては有益なエクササイズであると同時に、有効なメタファーでもあった。
僕は日々走りながら、あるいはレースを積み重ねながら、達成規準のバーを少しずつ高く上げ、
それをクリアすることによって、自分を高めていった。少なくとも高めようと志し、そのために日々
努めていた。僕はもちろんたいしたランナーではない。走り手としてはきわめて平凡なーむしろ
凡庸というべきであろうーレベルだ。しかし、それはまったく重要な問題ではない。昨日の自分をわずかにでも
乗り越えていくこと、それがより重要なのだ。長距離走において勝つべき相手がいるとすれば、それは
過去の自分自身なのだから。